子供の卒業式や入学式で着物を着たい!という方や、親から着物をもらったので着てみたい、という方に、着付け教室はおすすめです。
しかし、ほとんどの人は着物に親しんではいないので、「何を準備すればいいの」「そもそも自分が着物を着られるようになるんだろうか」と不安ですよね。
私は「なにか新しい習い事を始めたいな〜。近くに着付け教室があるみたいだから通おう!」
という軽いノリで始めましたが、ゼロからの出発でカリキュラムが終わったあとはしっかり自分で着物を着られるようになりました!
この記事では、私が通った着付け教室「いち瑠」のレッスン内容についてのレビューと、準備が必要なものなどについても詳しくお伝えします。
いち瑠着付け教室の流れをレビュー
いち瑠には、無料体験レッスンがあります。
無料体験レッスンを受けなくても入会はできますが、できれば無料体験レッスンを受けてから入会するほうがおすすめです。
無料体験レッスンでは、教室の雰囲気やどんな先生が指導してくれるかを知ることができますし、不安に思っていることをその場で質問できます。
入会前の心配や不安を解消して入会することができるので、安心してレッスンに望むことができますよ。
事前に必要なもの
無料体験レッスンでは必要な小物や着物、帯はすべて貸出してくれますが、正式に入会するなら、以下の着物小物が必要となります。
- 長襦袢(ながじゅばん)
- 衿芯(えりしん)
- 伊達締め(2本程度)
- 腰紐(4本程度)
- きものクリップ(大小)各1個
- 帯板
- 帯枕
- 帯揚げ
- 帯締め
- 足袋
- 肌着(入会でプレゼント)
- 裾除け(すそよけ)(入会でプレゼント)
着物と帯はお教室でレンタル可能(帯揚げ帯締めも場合によってはレンタル可能)ですが、それ以外の小物は自分のものを必ず使用します。
これらの小物はオンラインショップなどで購入できますし、お教室で購入もできます。
自宅に着物があるなら、小物もあると思うので、探してみてから足りないものを購入するといいでしょう。
初心者でよくわからない場合は、先生に相談してから購入すると安心です。
私は着物と帯、帯揚げ、帯締めがセットで1万円ほどの着物セットと長襦袢を親が買ってくれました。
しかし、その他にこんなに小物が必要だなんてまったく知らなかったので、持っていないものはお教室で購入しました。
総額で約7,000円ほどだったかと思います。
肌着と裾除け、足袋は当時は入会特典としてもらうことができました。
現在は足袋は入会特典に入っておらず、その分レッスン費用が安くなっています。
小物は収納バッグに入れて置いておくことができました。
小物類はけっこうたくさんあり、細かいものも多いので、着物、帯などとまとめて収納できる着物バッグがあると便利です。
そして、かなりの重量になるので、毎回持ってくるのはかなり大変です。
わたしは以下のような着物バッグを購入しました。
楽天市場などのオンラインショップで購入もできますし、お教室でも購入できます。
無料体験レッスン
無料体験レッスンで必要なものは、
- 筆記用具
- 入会する可能性が高いなら受講費(全8回分 4,000円(税込))
です。
私は、毎週土曜日の決まった時間にレッスンを受けましたが、自分の希望の曜日と時間を決めることができます。
また、行けない日は別日に振替をしたり、調整ができるので、約3カ月ほどで全部のレッスンを終了しました。
無料体験レッスン当日は、最初の30分ほどはレッスン内容やいち瑠についての説明があり、その後1時間ほど簡単な着付け体験をしました。
無料体験後は、入会するかどうかを聞かれるので、どうするかはある程度決めておきましょう。
わたしはほぼ入会する予定で無料体験レッスンに参加しました。
私が通ったお教室は、自宅の最寄駅から2駅で駅からも近いので通いやすく、レッスン費用も安い。
唯一、気になっていたのは先生との相性です。
レッスンで指導していただくことになるので、厳しい先生だったらどうしよう、と少し不安でした。
着物などの伝統文化の先生は厳しいんじゃないか、と勝手なイメージがありました。
しかし、そんな不安も無料体験レッスンで払しょくされ、ハキハキとさっぱりした印象で、自分が好きなタイプの先生だ、と思ったので入会を決めました。
着付けレッスンについて
着付けレッスンは、実技と座学がありました。
実技では、先生から着物の着方を教えてもらいながら生徒が実際に着ていく、という感じです。
座学では、着物の部分名称や種類などを教科書を使って勉強します。
着物の着方を段階的に学びますが、途中で座学が数回あります。
そして最後に筆記試験と実技があります。
着付けレッスンのカリキュラム
着付けレッスンのカリキュラムの実技・座学、そして最終試験についてそれぞれ詳しく解説します。
長襦袢から着物の着方まで実践する実技
実技では、長襦袢の着方から帯の締め方、着物の着方まで段階的に教わります。
毎回のレッスン時間は1時間半で、レッスンを受ける前は長いな、と思ったのですが、実際はあっという間にレッスンが終了。
すべてが初めての事なので、覚えるだけでひと苦労で、次のレッスンに行くころは忘れてしまったりしました。
しかし、忘れてしまっても先生がしっかりフォローしてくれるので大丈夫です。
私は帯枕というものを背中につけるときにとても苦労しました。
というのも、両腕を背中の上部まで持っていく動作があるのですが、身体が固くてなかなか上まで持っていけない。
帯枕を付けやすいやり方を教えてもらってもなかなかうまくできず、着付けレッスンの翌日は腕と背中が軽く筋肉痛になりました。
着物について深く学ぶ座学
座学は教科書を見ながら、着物の種類や素材について学びます。
着物の柄の名称や、着物メーカー、着物の作り方もさまざまあるんだということや、TPOに合わせた着物もあるのかととても興味深かったです。
着物といえば、成人式の振袖や結婚式で新郎新婦のご両親が来ている着物、お葬式で着ている着物くらいしか知らなかったですが、それ以外にも下記のような、TPOに合わせた着物の種類があるんだということを知りました。
- 卒業式・入学式などフォーマルな場所で着るのは訪問着
- 普段着として着るのは小紋
実物もみる事ができ、着物の奥深さを知ることができて楽しかったです。
そしてコーディネートレッスンとして、反物をあてて着物と帯の組み合わせを楽しむという時間がありました。
このときに、気に入った着物があれば購入することもできます。
筆記試験と実技の最終試験
最終試験は、筆記試験と実技があります。
筆記試験は着物の箇所の名称や着物の柄についてなど、座学で学んだことの復習、実技は30分以内で長襦袢の状態から着物を着られるかどうかを測ります。
筆記試験の時間はどれくらいだったか忘れてしまいましたが、20分~30分ほどだったと思います。
実技試験は緊張しますが、落ち着いてやればクリアできます。
試験が不合格になることはないので、安心してください。
私はサラッと教科書を読むだけで挑んだら、けっこう筆記試験の問題がわからなくて焦りました。
実技はやっぱり緊張しました。
緊張しすぎて途中で「どうやって着るんだっけ?」と一瞬わからなくなった時がありましたが、30分以内で着ることができました。
この時、しっかりと着物の着方が身についているんだなぁとうれしかったのを覚えています。
和気あいあいとした授業
わたしの場合は、私を含め2人だけの生徒の小規模な教室だったこともあり、和気あいあいと楽しんで行うことができました。
最初のレッスンの時はまだ着物の着方を覚えられないので、途中で着方がわからなくなって、手が止まってしまうときがありましたが、先生が丁寧にフォローしてくれました。
一緒にレッスンを受けた方が昔着物を着たことがある経験者だったため(のちに師範の資格を持っていたことが発覚)、自分の出来なさに落ち込むことがありましたが、先生は比べることなく優しく指導してくれました。
先生はハキハキとさっぱりした性格というのもあり、わからないことはすぐ気軽に聞ける環境ということもあり、毎回楽しくレッスンを受けることができました。
レッスン終了後の選択肢
すべての初級レッスンが終わったら、以下のどちらかを選択します。
- このまま終了する
- さらに次のステップのレッスンに進む
初級レッスンの次は中級レッスンになり、着物をよりキレイに着るための内容になります。
その次に上級レッスンもあり、さらに着物の着方を極めていく内容になります。
その他にも人に着付けできるようになる資格を取得するレッスンもあります。
私は初級レッスンが終わった後は、次のステップに進み、よりキレイに着られる着方などを学びました。
初級レッスンを終えて、いちおう自分で着られるようになったけど、「キレイに着られる」まではできていないと感じたからです。
着物をキレイに着るには、いろんな細かいところを意識して着こなす必要があります。
それを学ぶためには今ならYouTubeで独学で学ぶこともできるかもしれません。
しかし、実際に自分の着こなしをみてもらって先生に指摘してもらうほうが断然わかりやすいです。
最終的に、私はいち瑠の上級レッスンまで進み、自分で納得できるくらいにはキレイに着物を着られるくらいまでになりました。
いち瑠は買わされる?
いち瑠の着付けレッスンのなかにある座学のなかで、実際に販売している反物を自分にあてて、着物と帯をコーディネートする機会がありました。
着物を反物で見るのと実際に充ててみるのとでは印象が違います。
「この柄は地味かな」とか「この色は自分には合わないかも」と感じるものが、「意外と似合っている!」という発見がありました。
また帯の色や柄で全体の印象が変わることもあり、洋服と同じで、着物と帯のコーディネートは無限大なんだなと感じました。
いろんな組み合わせを楽しむことができたし、いろんな発見がありました。
気に入ったものがあれば、その場で購入できるので、なかには購入する人もいました。
このとき、値引をしてくれますが、その際の値引率がかなり高く、「なぜこんなに値引できるんだろう?」と逆に怪しく感じたのも事実です。
熱心に進めてくる先生もいて、人によってはすすめ方がしつこく感じるかも、というのが正直な気持ちでした。
ただし、買う気はないとしっかりと断れば、無理に買わせることはありませんし、その後のレッスンでイヤな雰囲気になることもないので、安心してくださいね。
そして、値引率はかなりのものなので、お値打ち価格で購入できることは間違いないです。
もし自分の着物を持っていないという人は購入を検討してみてもいいかもしれません。
まとめ
今回の記事では、私が実際にいち瑠で着付け教室に通った体験をレビューしました。
わたしはいち瑠で着物の着方を学べて本当によかったです。
着物を自分で着られるようになったのはもちろん、着物の奥深さや日本人として自国の伝統文化を体験できたのはいい経験になりました。
日常生活ではなかなか着物を着る機会がないので、お教室で企画している着物でお出かけするイベントに参加したりしました。
実際に着物を着て出かけると、階段を降りる時やバスに乗る時、お手洗いに行くときなど、お教室ではわからなかったことがたくさんあるので、これも新しい勉強になりました。
そして、着物を着るという選択肢がひとつ増えたことで、洋服にはない、新しい楽しみもひとつ増えたように感じます。
後日、昔母が来ていた着物が実家に数着あったことがわかり、譲りうけました。
その着物は私が小学校の入学式のときに母が着ていたもので、そのような思い出深い着物を自分で着ることができるというのはうれしかったです。
祖母や母が来ていた着物がある方はもちろん、新しい趣味を始めたい思っている人にも着付けレッスンはおすすめです。